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ネクサスCTが提供する制振性に優れた高機能素材「WAVLES」シリーズ

WAVLESシリーズ

WAVLESシリーズの振動吸収機構
制振性と成形加工性に優れた、高機能素材「WAVLES」シリーズ。お客様の課題に最適な制振材をご提案します。

WAVLESの主な特徴
  • ■ 画期的な制振性能を誇ります。金属そのものが振動を吸収。振動吸収性、吸音性に優れた金属です。(1・2のみ)
  • ■ 成形加工性に優れています。切削、鋳造をはじめ、熱間、冷間加工、溶接、プレス加工、機械加工などあらゆる加工が可能です。(1・2のみ)
  • ■ 幅広い振動吸収周波数に対応しています。振動モードに応じて、最適な制振金属を選定できます。
※有償で振動診断が可能です。(詳しくは裏面のお問い合せ先までご連絡ください)
WAVLES1
高振幅の振動モードで精度が求められる箇所に
●マンガン(Mn)ベースの合金
●結晶構造の変化により外圧を吸収し制振性を発揮
WAVLES2
微振動にお困りの方に
●鉄(Fe)ベースの鉄アルミ合金
●合金の素材を不規則相にして、素地中に短範囲規則相(SRO)を限られた量析出させて制振機能を付与
WAVLES3
低周波数の振動に
●鋳鉄の切削屑(鋳鉄チップ)を原材料とし、加熱加圧成型によって製造した多孔質鋳鉄
●「疎」-「密」-「疎」の三層構造により制振性を保有

WAVLES1
-高振幅領域で精度が求められる場合に-

WAVLES1のポイント

  • ■ Mn:73%、Cu:20%、Ni:5%、Fe:2%で構成されるマンガンベースの制振合金。
  • ■ 非磁性素材。
  • ■ 1995年、旧科学技術庁 金属素材技術研究所(現:独立行政法人 物質・素材研究機構)が特許出願しました。
  • ■ WAVLES1はユニークな動きをする双晶型の形状により、これまでの合金を凌駕する高い制振性を実現。
  • ■ 成形加工性にも優れ、さまざまな用途での使用が期待できる画期的製品です。
制振合金と呼ばれるものは主に4つの原理に分類されます。WAVLES1はその中でも双晶型とも呼ばれる種類に属します。
双晶型とは、母相とバンドの界面を境にして左右双子のように対称的な結晶構造になっている機構のことです。
下図は、外部からの振動を双晶がどのようにして吸収するかを説明しています。①のように結晶に外力がかかると弾性変形(②)し、さらに外力が増すとそれに抗しきれず、双晶が発生(③)。
また、それ以上の負荷を受けると④⑤のように双晶が成長・拡幅したり、他の箇所に新たな双晶の生成が見られます。
双晶型の機構では、このように外力が双晶の運動によって受け止められ、そこでエネルギーが消費されることで振動を低減するのです。
光学ならびに電子顕微鏡での観察によれば、通常、双晶には数十ナノメートルという非常に小さなものから数センチのものまで、実にさまざまな大きさの存在が認められています。
WAVLES1はふつうの合金に比べてその双晶の大きさがはるかに多岐にわたり、並行または直交している様子が見られます。
また双晶の質も異なり、次の2つの特徴を備えています。

WAVLES1の特徴

● 外力によって、双晶が容易に発生
● 双晶のそれぞれの界面が、外部の力によって簡単に移動し、外力の除去と同時に縮小・消失

WAVLES2
-微振動を取り去りたい時に-

WAVLES2のポイント

  • ■ Fe:92%、AI:8%で構成される鉄ベースの制振合金。
  • ■ 強磁性素材。
  • ■ 新たに開発した技術で、相性の悪い鉄とアルミの合金を実現しました。この合金は鋳造、圧延が可能です。
  • ■ 従来の鉄系合金にはない機能を発現します。
  • ■ もっとも普及している鉄と2番目に普及しているアルミを用いることで原材料の安定供給が可能で、既存の鉄鋼ラインでの製造が可能なためコストを抑えることが出来ます。
合金の素材を不規則相にして、素地中に短範囲規則相(SRO)を限られた量析出させて制振機能を持たせます。
その場合、不規則相だけでは制振効果はなく(下図A)、短範囲規則化を適度に行い小さく分布させる(下図B)と効果は大きくなります。

WAVLES2の特徴

● 強磁性+転移型
● Al+Fe合金・・・鉄と比べ10%軽い! ※希少金属を含まない
● 加工性・・・・・・・鍛造・厚造・プレスが可能!
  ※既存ラインで製造可能。箔(30μ)まで造れ、プレス成形が可能
● 制振性・・・・・・・微振動に効果発揮! ※鉄と同等の剛性をもち振動を吸収

熱処理方法に応じてさまざまな特性を持ちます
磁気特性:電磁ステンレス相当!
※強磁気と良好な透磁率、優れた保磁力、高い電気抵抗
耐熱性:~900℃!Incoloy800相当
※酸化に強く、特にサルファ(硫黄)雰囲気下で強い効果を発揮

WAVLES3
-低周波数の振動に-

WAVLES3のポイント

  • ■ 金属の細片を直接通電加熱・加圧して、焼結したスポンジ状(多孔質)の金属です。
  • ■ 外表面ー内部ー外表面が疎密疎の三層一体構造となった金属材料です。
  • ■ 熱伝導率は素材である鋳鉄の200分の1。

WAVLES3の特徴

● 「疎」「密」「疎」の多孔質構造により振動を吸収
● 耐候性、強度特性、振動吸収性を高めたレジンコートWAVLES3も製作可能
● 一般的な機械加工が可能

WAVLES3と防振ゴムの比較

WAVLES3と防振ゴムにそれぞれ荷重を加えた状態で振動吸収性を比較すると、防振ゴムは荷重を加えることにより、ゴムの動きが抑制されるため、振動吸収性は低下していきます。
一方、WAVLES3は形状の動きで振動を吸収するのではなく共振現象を利用して振動吸収を行う為、形状が変化しなくても振動吸収ができます。

制振塗料 WAVLES COAT
(ウェブレスコート)

音は音波と呼ばれ、その正体は空気の振動です。
物体が振動すると周りの空気も同じように振動し音が発生します。
WAVLESコートは優れた制振効果により騒音のもととなる物体の振動を速やかに減少させ防音効果を発揮します。
ナノサイズからミクロンサイズの大きさ・形状の異なる制振フィラーを高充填することにより、塗布型タイプとしては他に類を見ない大きな損失係数を示す制振材です。
■ 施工面に合わせた加工不要
■ 重量が軽い 比重1.2~1.3
■ 水性タイプで環境にやさしい
■ 難燃性 ※難燃タイプのみ
■ 塗布方法が選択可能

振動減衰のメカニズム

ポリマー中には有機、無機、制振フィラーが分散しています。無機フィラーは制振フィラーと接触し、支点の役割をしています。
振動が外力として作用した時、制振フィラーが有機フィラー凝集体と接触し、摩擦熱が発生し大気中に発散されます。
振動エネルギーが摩擦熱に変換されることで、振動は減少します。

損失係数

ブチルゴムは0℃が最高値になり、常温から高温になるにつれて係数は下がっていきます。
しかし、WAVLESコートは高性能タイプ・高温タイプともに任意の温度で最高値になり高い損失係数を保っています。

使用方法について

  • ○塗布面に油分が付着の場合は、シンナーで脱脂してください。
  • ○高圧洗浄など施した場合は、十分乾燥するまで塗装しないでください。
  • ○錆はサンダー,サンドペーパーなどで入念に除去してください。
  • ○既塗膜の上に重ねて塗装する場合は、浮きやチョーキング(白亜化現象)がある場合もサンダーやサンドペーパーで除去してください。
  • ○光沢がある塗膜に重ね塗りする場合は、事前に付着性を確認してください。
  • ○標準塗布量は1回あたり最大で1.2Kg/m(約1L)で、塗布厚は約1mmとなります。
  • ○塗布厚2mmの乾燥時間は23℃、湿度50%の場合24時間以上です。(状況により変動します)
  • ○塗布方法は刷毛、ローラ、吹付です。吹付の場合は、5~10%希釈してください。希釈は水道水で結構です。
  • ○塗装終了後は器具を速やかに水で洗浄してください。
諸元
販売単位

WAVLES防振台

WAVLES防振台
振動を軽減して、作業効率アップ!!〈高衝撃吸収性能〉

・作業時の机上からくる振動を完全に吸収
・台車、リフト移動等による床面からの振動を吸収
・計量時に上皿から伝わる振動をすばやく収束

ロス改善事例

●某供給業 作業者Aの場合
[状況]2Fにある作業エリアでリフト走行時の揺れがあり、はかりの安定表示がでない ●1回当たり28秒の時間短縮
●日当たり125分の大幅な改善効果
無駄なコストや作業者のストレスが解消!!

特性

「新素材」高衝撃吸収ウレタン素材を用いた防振台

振動処理能力

身近な振動(携帯電話バイブ機能)による振動伝達実験

携帯電話のバイブ機能を有効にして事務机に設置し、事務机のみと防振台上で各振動を計測した。
防振台なし
防振台あり